こんにちは!横浜市泉区にありますグループホーム『みなみ風4』の渡辺です。
ついこの間まで暑い日が続いていたのに、秋を通り越して冬になったような寒さで、寒暖差で皆さん体調を崩したりしていないでしょうか。
季節の変わり目9月頃、日によって気候が変わりやすいある時期に、グループホームであったある出来事にについて、今日は書こうと思います。
前の日までは何日か続けて最高気温が25度を超えていたのに、その日は朝からちょっと寒いくらい。天気予報の最高気温も20度未満でした。
朝、Aさんが着替えを済ませてリビングにやって来ましたが、半そでのTシャツを着ていました。
それまでもAさんが気候と合っていない服を着ていた際に、職員が別の服を提案して着替えてもらう、といったことはしばしばありました。なので今回も職員は言いました。
「Aさん、そのTシャツだと今日はちょっと寒いかもしれません。長袖の服にしませんか?」
Aさんは首を横に振りました(Aさんは頷いたり首を振ったりしてイエス・ノーを伝えてくれます)。
「今日は寒いみたいですよ。こっちの服なんかどうでしょうか?」
職員はそう言って着替えの提案を何度かしましたがAさんはさらに大きく首を横にふるばかり。そこで職員はある事に気が付きました。実はそのシャツは数日前にAさんが家族に新しく買ってもらったシャツだったのです。
「ひょっとして新しく買ってもらった服だから着たいんですか?」
職員がそう言うとAさんは着ていたTシャツを指さし笑顔で大きく頷きました。
「それでは、そのTシャツの上に着られる上着を着ませんか?」
職員がそう聞くとAさんは声を出して大きく頷きました。
その日の通所先の事業所で、AさんはそのTシャツを色々な人に見せて回っていたそうです。AさんがTシャツを着替えようとしなかったのは、家族に買ってもらった新しいTシャツを着て行って、通所先の皆に見せたかったからだったのです。
支援をしていく中で、障害のある方たちの行動に対して「こうした方がよいのでは」と支援者が感じることはしばしばあります。そういった視点は支援において必要な視点であることは間違いはありません。
しかし、それと同時に「どうしてこうするんだろう?」とその行動の背後にあるその人なりの思いや理由を支援者が思い描いてみることもとても重要です。その上で「じゃあ、どうしたらよいか」と考えることが、その人にとってよい支援をしていくためには必要だと思います。
いくら職員がその人のためによかれと思っていても、その人の思いを全く無視するような支援はよい支援とは言えません。今回の件で、その人の思いを考える事が支援をしていく私たちにとってはとても大切なんだ、ということを改めて感じました。